補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
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2008年上期パラジウム・プラチナ需要予測について

(1)パラジウムの見通し
@2007年のパラジウム需要は、ディーゼル車とガソリン車の両方の触媒でプラチナからシフトが進んだことで自動車触媒需要が増加し、212.6トン(+3%)となった。
A自動車触媒需要は、中国やインド、ロシアを含む新興国で主にガソリン車の生産が増加し、138.4トン(+11%)となった。
B宝飾需要は、北米と欧州では伸びたが、中国の需要が減り、23.0トン(−26%)に減少した。
Cエレクトロニクス需要は、電子機器に使われるキャパシター数や電気製品の需要増加で積層セラミックコンデンサの生産が増え、40.0トン(+7%)と6年連続で増加した。
D歯科需要は、金など代替品の価格が高騰したため、19.8トン(+2%)に増加した。
E投資需要は8.1トン(+420%)に増加した。パラジウムの現物を裏づけとする上場投資信託(ETF)が上場され年金基金などの新規需要を取り込んだ。
F2007年のパラジウム供給は、南アフリカでストや事故の影響を受けて生産が一時ストップしたが、ロシアの在庫放出が増加し、267.0トン(+8%)に増加した。
G2007年もパラジウムは大幅な供給過剰となったが、このうちいくらかは投資需要に吸収されたことで、パラジウム価格はサポートされた。平均は$355と2006年より11%上昇した。年初は$332で始まり、4月に$382の高値をつけたが、8月には$320まで下落した。年末には$365を回復した。
H2008年のパラジウムは、世界的な景気後退が懸念材料だが、中国やインド、南米、ロシアで乗用車の生産や輸入が増加し、自動車触媒需要が増加する見込み。パラジウムETF需要も増加するだろう。エレクトロニクス需要は、電子機器需要が10%伸びる見込み。
宝飾需要は不透明だが2008年第1四半期の購入量は増加している。供給は、南アで電力不足により生産が減少し、ロシアの在庫放出もやや減少することから、2007年より減少する見込み。引き続き供給過剰となるが、需要が改善することで価格はサポートされるだろう。今後6ケ月は、プラチナが上昇すれば、パラジウムも$575を試する予想。投資需要が売りに転じれば価格は下落するが、$400は下回らないと予測する。

(2)プラチナの見通し
@2007年のプラチナ需要は、自動車触媒需要が大きく伸び、218.7トン(+9%)となった。
A自動車触媒需要は、ガソリン車ではパラジウムリッチ触媒へシフトしているが、欧州でディーゼル乗用車の排ガス規制が強化されプラチナの使用量が増加し、131.4トン(+8%)に増加した。
B宝飾需要は、プラチナ価格が高騰したため日本や中国で中古品や売れ残り品のリサイクルが増加したが、小売販売ではほとんどの市場で目立った落ち込みは見られず、49.3トン(−3%)の減少に止まった。
Cエレクトロニクス需要は、ハードディスクの記録容量拡大に伴い垂直磁気記録方式のシュアが拡大し、13.2トン(+18%)に増加した。
Dガラス需要は、液晶テレビの普及によりガラス製造設備が増加し、13.4トン(+6%)となった。
E石油精製需要は、原油の価格高騰や需要増加で触媒需要が増加し、6.4トン(+14%)となった。
F投資需要は、現物のプラチナを裏づけとした2つの上場投資信託(ETF)が新しく上場したことにより、5.3トン増加した。
G2007年のプラチナ供給は、南アフリカで補修による精錬所の一時閉鎖や労使問題からのストで生産が一時ストップしたほか、ロシア、北米でも生産量が減少し、203.7トン(−4%)となった。
H2006年は11.0トンの供給過剰だったのが2007年は15.0トンの供給不足になったこと、ドル安や金価格の上昇が強材料となり、2007年のプラチナ価格は大幅に上昇した。年初に$1,136でスタートし、プラチナETFの上場や、南アフリカの供給不安を背景に後半にかけて上昇が加速し、年末に$1,529の過去最高値を記録した。年初からの上昇率は35%となった。
I2008年は、プラチナ価格がさらに高騰したため、1月と2月の中国の宝飾需要は減少したが、3月の下落面では購入が増加しており、宝飾需要は2007年より急減することはないだろう。欧州でディーゼル乗用車のシュアが拡大していること、ディーゼルトラックの後付触媒の装着が増加していることから自動車触媒需要は増加する見込み。供給は、南アフリカで電力や安全面の問題が残るが、鉱山会社生産計画は拡大しており、2006年の水準よりは少ないが、2007年よりやや増加する見込み。全体では2008年も供給不足になる見込みで、タイトな需給が価格にとって強材料となるが、米国をはじめとする世界経済の減速やドル高は弱材料となる。今後6ケ月の価格は$1,775から$2,500の広い変動幅を予測する。

アサヒプリテック株式会社 貴金属事業部  2008年8月1日 掲載
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