補綴構造設計士・歯科技工士川島 哲の世界
PSD (PSD)伝達事項 川島セミナー会場 著書紹介 セミナー 執筆記事 気になるニュース トピック ホーム

妻と会話のない日々

静岡・N男

50代男性。妻と会話のない日々が続いています。
 結婚してまもなく、私の母が病気になり、以後車いすの生活になりました。それから十数年間、妻は母の看病や通院の付き添いをほとんど一人でしてくれました。妻の口うるさい母の八つ当たりに耐え、さらに娘の出産や育児と、大変な日々を、愚痴も言わず手抜かずに頑張ってくれました。私は独立して事業を始めましたが、その仕事も手伝ってくれました。
 数年前、妻の父が病気になり、妻は通院に協力したいと相談してきました。私は仕事が忙しく、自分の母親のこともあるので、「実家のことは同居の妹さんに任せろ」と答えました。妻は「少しは私の親のことも考えて」と言いましたが、「俺が悪い人みたいに言うな」とどなりつけました。  それ以降、妻は必要なこと以外、私と会話しなくなりました。家事や仕事は以前と変わらずやってくれますが、私を見る目は冷たいです。
 金銭的に困ることはない生活をさせているし、実母も現在は介護施設にいます。なのに、今は状況は不愉快です。早く、元の優しく明るい妻に戻ってほしいのですが。

出久根 達郎 (作家)

奥様がどうしてあなたに冷たくなられたか。そして、以前のような優しく明るい妻に、どうすれば戻ってもらえるか。理由も方法も、あなたはご存じである。何も私に聞くまでもない。
 ではなぜこのようなご相談を寄せられたのか。自分の妻への意見は、正当であるか、判断してほしいということでしょうか。まあ、少なくとも奥様には不快だったわけですから、その限りでは正しいとはいえませんね。
 いや、間違いとか正しいとか、そういうことじゃなく、あなたの考えが冷たすぎるのです。あなたは悪いことをしているとは、さらさら思わない。思わないことが冷酷なのです。
 あなたは健康だから、病人のつらさがわからない。しかし、病気をしたことがなくても、つらさを知る人はたくさんいます。想像力と思いやりを持っているからです。あなたはこれがこれが欠けています。事業に成功したのは奥様がいたからです。その重要さにまだ気づいていらっしゃらない

2012年7月17日 讀賣新聞 掲載
Copyright UNIDENT Co.,Ltd. All rightss reserved